10月30日(月)     (グラナダ)  P28
セビリア・ホテル(8:30)[バス]→エステパ→アルチドーナ→ロハ→サンタへ→グラナダ・ホテル(14:20)[バス]→アルバイシン地区、サクロモンテ地区散策→夕食

1 アルバイシン地区
アルハンブラ宮殿とダロ川をはさんで反対側のこの住宅地は、1,000年以上も前からイスラム教徒居住地でアルハンブラ宮殿と共にユネスコの世界遺産に指定されております。ここでは視対象と視点の関係について下記のことについて徒歩で散策をし確認しました。
ア)展望台広場等の見せる場所の重要性
イ)家を見せるポケットパークの確認
アルバイシン地区は全体が斜面の街で(日本の尾道のような所)つま先下りで、見ることに非常に適している所です。又、道路が視軸線の役目をしていて、街全体が地域の宝物のアルハンブラ宮殿を見るための工夫をしているように感じました。特に写真3のサンニコラス広場の造りには感心しました。
・決して贅沢な造りではないが展望台の役目を しっかりとしている。
・床材擁壁等は地場産の石、レンガ等を使用し ていて周りの景観にマッチしている。
・縁は展望を妨げる柵、手すり等を設けないで 高さが40p程度の腰掛け用の縁石にしてい  る。
・ベンチの位置と植栽の関係が視点場としての 機能を考えて視界を妨げないように横に植え ている。
・擁壁から落ちてけがをしても本人の責任とい う大人の感覚の考え方が素晴らしい。
 又、町並みを散策して1,000年以上前の建築物の保存、リニュアールして建て替えする時、周囲の景観に配慮する等、住んでいる人達の努力と景観に対する熟度の高さに感心しました。

2 サクロモンテ地区
サクロモンテの丘は、今も住んでいるジプシーの居住地区で、奇妙で異様な雰囲気のある街で、狭くて曲がりくねった傾斜のきつい道、バイクでしか通行できない道、山の斜面に横穴を掘っただけの洞窟式の家並み等気候が乾燥温暖な地域の為可能にしているものかと思いました。


 
3 自分がどう見てどう思ったか、又、山形で どう使えるか
日本の住宅の平均耐用年数は26年、アメリカは44年、イギリスは75年、日本は木造住宅が多いとはいえ短過ぎます。アルバイシンの1,000年以上の町並みを拝見して思ったことは歴史と文化の伝承をしっかりとしていることです。このことはスペイン全体にいえることです。中心市街地の空洞化に対しても空き家空き店舗の有効利用、中古住宅店舗のリニュアール、中古市場の活性化を計り中心市街地に住んでもらい楽しいにぎわいのあるコミニケーションの場所にすることだと思います。スペインの道路等街並みが、そこにいたいという人間に安全でやさしく楽しくワクワクさせる雰囲気があります。山形の商店街住宅地にも、このような仕掛けをしたいものだなと思いました。又、日本は道路でも建物でも余計なものを造りすぎます。サービスもやりすぎです。早く大人の社会にしなければなりません。もたれあいの構図をなくしお互いに自立〔自律〕しなければなりません。このような考えで施策を実行すればコスト縮減10%など簡単にできると思います。又、21世紀は心の時代といわれております。山形は正に心の時代のフイールドを備えております。21世紀が山形の時代といわれるように皆さんと一緒に頑張りたいと思います。


写真1 アクアトハスの街の旧道のローマ時代のアーチ橋

 ローマ人は橋造りがうまかった。現在まで残っていて尚かつ使用できるとは素晴らしい。近くには、オリーブ、ポテト、玉ねぎ畑が広がる

写真2 エステパの街
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